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輸入建材業者の日常


by universal-japanCo
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【クレームの起きない住宅作り】無垢フローリングについて

1.無垢フローリングの歴史
日本では古くは床は「板の間」と呼ばれ、針葉樹系の無垢板が使われてきました。
一般的に杉の野地板様の物が垂木などに直打ちされていたのが始祖であり、
厚みは地方によって様々ですが、1寸の物が主流だったようです。(北陸だけかも知れませんが)
現在、「無垢フローリング」と呼ばれる実加工された物は、大正時代に北海道でナラ材の
端材処理のために開発、販売され始めたのが最初のようで、開発自体のコンセプトは
今で言う「エコロジー(余剰材料の有効利用)」が発端となっていたようです。

2.無垢フローリングへの注目の高まり
昭和30年代より始まった建築ラッシュに対応するために、日本の市場では建築で
使われる材料を大量生産にシフトする必要がありました。
その為に、建材はテクスチュア(表面の仕上がり)のみを重視する方向へ向かい、
その使用される部材は合板の上に3mm厚の単板を貼った合板フローリングへ
シフトして行きます。
ところが、これらの合板の製造に使われていた樹脂系の材料が、人間のたんぱく質受容体に
反応を起こし、それらをアレルゲンと反応した人にアレルギーを引き起こす事が
確認されました。
これらは1980年代にはすでに報告されていましたが、当時は原因不明とされ、医療機関では
パッチテスト(何がアレルゲンかを特定するために、被験者に少量の色々な物を皮膚に置き、
反応を確認する事)にて対処療法が行われていました。

これがいわゆる「アトピー」や「シックハウス症候群」と呼ばれる物で、2003年に建築基準法の
改正によりF☆☆☆☆の認定義務が定められました。


 【余談】アレルギーの起こる原因について
 人間の身体には、IgE抗体と言う物があります。
 これは本来ならば、人間の身体に入ってきた良くない物(病原菌など)に対して抵抗して
 熱などを出し、健康に向かわせるための抗体だったのですが、新建材などから発せられる
 ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの物質が、人間のたんぱく質の構造に近かったため
 身体には直接影響はないはずの物に対して抗体反応(アレルギー反応)を引き起こし
 頭痛、皮膚炎などを起こしてしまうのがアレルギーの起こる原因です。

 その人間のホルモン受容体に反応してしまうため、シックハウスの原因になる物質を
 『環境ホルモン』と呼んでいるのです。

 また、このアレルギー反応は個人によって様々で、その許容量を超えてしまった人のみが
 反応し、その人が一回反応を起こしてしまうと、一生治らない事になります。
 インフルエンザなどの予防接種と同じ理屈です。
 解決法は「そのアレルゲンと接触しない」と言う方法しかなく、そう言った意味で
 無垢フローリングの価値は見直されていると言えます。

その様な事例から、各種建材を販売する企業はF☆☆☆☆の対応に追われました。
実はホルムアルデヒドなどの物質を揮発する接着剤の方が接着力は高く、シックハウス規制が
発令される以前は、集製材の柱などの強度を謳い、その生産歩留まりの良さから集成材を
使った住宅は流行りそうになりましたが、F☆☆☆☆認定を受けた接着剤で集成材を
作ろうとすると、その時点では強度に難点を持つと言う理由で失速していきました。
(現在、その難点をクリアした集成材はあります。)

それと同じでフローリングに関しましても、効率を求める物は何らかの難点を持つと言う
認識は、消費者レベルで高まっており、その消費者の皆様より無垢のフローリング
要望されるケースが増えてまいりました。

とこの様に、

今日は突然、床材についてアッツく語ってみました(笑

基本 このシリーズは、皆様と一緒に情報の共有化をしたいと言う思いで書いております。
間違ってたり、こんな例もあったと言うのをお教え頂けると嬉しいですね。

よろしくお願いします。
by universal-japanCo | 2008-06-05 10:29 | 【クレームの起きない住宅作り】